KinKi Kidsの堂本光一(32)の主演舞台「SHOCK」が、来年1月に福岡・博多座で上演することが決まった。2000年の初演から12年間、東京・丸の内の帝国劇場で上演してきた同舞台が、外部の劇場に進出するのは初めて。
公演は来年1月7日から同31日まで。さらに2月8日から帝劇に戻り、4月30日までのロングラン公演に挑む。自身のライフワークとして、通算938公演を数える舞台だが、連続4か月公演は初めて。「全く未知の世界ですが、話が来たときはすぐにやりたいって返事してました」。東日本大震災の影響で今年の公演は3月12日以降が中止となっただけに「やっぱり取り返したい気持ちが強い」と気合は十分だ。
激しいチケット争奪戦が繰り広げられることで有名だが「今まで見に来られなかった人にも見てほしい」との思いから初めて東京を離れる。様々なオファーがある中、大掛かりな「SHOCK」の演出も可能な設備を持つ博多座での上演が決まった。「帝劇と完全に同じとはいかないが、博多座ならではの演出も見せたい」と、具体的なプランも練っているという。
◆博多座 1999年6月にオープンした福岡・博多区にある九州最大級の演劇専用劇場。客席は1~3階まであり、最大約1400席。2、6月には歌舞伎公演、8月には宝塚歌劇団の公演を開催。6月の歌舞伎公演の際には隣を流れる博多川で船乗り込み(歌舞伎俳優が船で川を巡る行事)が行われるのが恒例。
KinKi Kidsの堂本光一(32)が主演する舞台「Endless SHOCK」が初の地方公演を行う。福岡・博多座で来年1月7~31日に34公演を予定し、約4万5000人を動員する。
00年にスタートし、帝国劇場(東京都千代田区)だけで上演されてきた。作・構成・演出のジャニー喜多川社長は「次のステップ」として東京以外での上演も検討していた。福岡開催について関係者は「韓国や中国に近く、海外上演を見据える時にいい」と世界進出を視野に入れている。
見どころのひとつであるフライングができるよう、博多座では改装工事も行われる。堂本は「博多座ならではのSHOCKが生まれると思ってる。今から楽しみ」と意気込んでいる。恒例の帝劇公演は同2月8日~4月30日(105公演)を予定しており、2都市で計4カ月にわたるロングランとなる。
博多でSHOCK 光一 13年目で初の地方公演
2011年5月17日 紙面から
KinKi Kidsの堂本光一(32)主演の人気ミュージカル「Endless SHOCK」が来年1月、福岡市の博多座で初の地方公演を行うことが16日、分かった。2-4月は従来の帝国劇場で上演するため、初の4カ月連続公演となる。演劇界でも異例のロングランだが、今年は3月11日の東日本大震災の影響で上演中止に追い込まれただけに、光一は「楽しみにしていたお客さんにお返ししなきゃいけない」と固い決意を誓った。
「日本一チケットが取りにくい舞台」といわれ、名古屋や大阪など各地の大劇場からラブコールを受け続けてきたSHOCK。00年の初演から13年目、ついに初の地方公演が実現する。
4年ほど前から上演を打診していた博多座に決まった理由について、光一は「帝劇に一番近いサイズ。SHOCKを表現する上で間違いのない大きさだった」と明かす。さらに製作の東宝関係者は「中国や韓国など、外国の方が来やすいグローバルな場所。復興の出発点にもなるのでは」と思いをはせた。
帝劇ならではの巨大なセットが多いため、博多座に持ち込めるのは9割程度。だが光一は「帝劇のミニ版というのはつまらない。博多座ならではのものを作りたい」ときっぱり。新たな演出について「さっそく何ができるか相談しているくらい。何が生まれるのか楽しみ」と目を輝かせた。
作・構成・演出のジャニーズ事務所・ジャニー喜多川社長は早くもプランを練っている。「博多なので(博多祇園)山笠を取り入れたい」。博多の夏を700年以上彩ってきた伝統の祭り。「(重要無形民俗)文化財なので今、交渉中です」。博多座を通じて市や福岡県と調整を進めている。これまでのファンも見逃せない華やかな演出になりそうだ。
博多座もフライングなどに対応するため、数千万円をかけて舞台の天井に穴を開けるなどの改装工事を行う予定という。
さらに、2-4月は帝劇で上演し、SHOCK史上初の4カ月連続上演となる。昨年は3カ月公演だったが、2-3月、7月と間があいていた。単独主演での4カ月以上の連続公演は、東宝では82、84年の故・森繁久弥さん主演「屋根の上のバイオリン弾き」、99年の森光子主演「放浪記」に続く快挙。しかも高さ8メートルの階段落ち、激しい殺陣などハードな内容を考えれば異例のロングランだ。光一は「まったく未知の世界」と前置きしてから言い切った。
「最初に話をいただいたとき、すぐに『やりたい』って返事してたんです(笑)。どんなに大変でも、それを上回る達成感があるので、やりきれてしまう。心配ありません」
そう思ったのは、やはり「3・11」の衝撃が大きかったからだ。くしくも通算800回の公演日。第2幕が開く直前に震災が発生し、公演中止を余儀なくされた。「3月31日、本当は千秋楽だった。その日が何もなく過ぎていったのがさびしかった。こんなにも穴があいてしまう気持ちというか…。取り返したい、って思いも強いですね」
ステージに上がれない間、新たなアイデアにも思いをめぐらせた。「自分の中で『こうしたらどうかな』という考えがある。妄想で終わる可能性はあるが、もしそうなったら、音楽的にも新しいシーンになる」。いっぽうで「何年もかけて計算し尽くしてきたので、変えればいいってもんじゃない。変えるなら進化させないと」とも。新たなページを開くSHOCKのため、光一の情熱はさらに高まっている。
◆博多座 99年6月にオープンした演劇専用劇場。建設は福岡市、運営は演劇興行会社5社が出資した株式会社博多座が行う公設民営型。歌舞伎、ミュージカル、宝塚歌劇など幅広いジャンルの作品を月替わりで上演する。3階席まである客席は最大1500席で、SHOCKは1334席を予定。光一は03年9月21日、森光子主演「放浪記」の通算1600回の上演を祝福するため、カーテンコールで東山紀之(44)、滝沢秀明(29)とともに舞台に上がった。